3テスラMRIが北海道の病院に導入
今までの2倍の磁力で、より鮮明な患部の撮影が
可能になった「3テスラMRI」が、
北海道の病院に導入が始まっているとのこと。
従来のMRI(Magnetic Resonance Imaging、磁気共鳴画像装置)の2倍の磁力を持ち、より鮮明な撮影が可能になった「3テスラMRI」が、2008年から北海道の病院にも導入され始めたとのことです。
2008年7月現在、道内では下記の4病院が、3テスラMRIを導入。
- 北斗病院(帯広市):2005年5月導入、機種は「SIGNA(シグナ) EXCITE 3.0T」[3][4][5]
- 函館脳神経外科病院:2006年12月導入、機種はフィリップス社製「Achieva 3.0T」[6]
- 函館新都市病院:機種は「SIGNA EXCITE HD 3.0T」[7]
- 札幌医科大学付属病院:2008年6月導入
また、3テスラMRIを導入した病院の医師や技師の感想として、[1][2][3]では
- 小さな腫瘍と周囲の組織の絡み合いや、動脈瘤の形など、今まで画像に表れていなかった患部が鮮明に見られる
- 脳の手術前に、正常な部分と異常な部分がはっきりと区別できる
- 運動神経と脳腫瘍の位置関係をつかむことができる
- 脳梗塞の患者では、神経線維の回復過程を確認できる
- 関節の軟骨も、微細な構造が撮影可能になったため、軟骨の小さなひびも発見できる
といった内容の記述が見られます。
(参考)
- [1]北海道新聞2008年7月23日朝刊15面
- [2]細い脳神経、軟骨のひびも 画像くっきり 磁力倍のMRI (紙面特集記事 北海道新聞)
http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/health_news_tokushukiji/ - [3]この病気にこのドクター(「QualityNet」内)
http://www.qualitynet.co.jp/history/Q2008_07/doctor.html - [4]北海道帯広市 医師求人 - 医療法人社団 北斗 北斗病院 / 北斗クリニックの求人情報
http://www.cabrain.net/job/jobDetail/jobOfferId/107153/jobCategoryId/1.html - [5]MRI(「GE横河メディカルシステム」内)
http://japan.gehealthcare.com/cwcjapan/static/rad/mri/index.html - 最新MRI導入しました(「函館脳神経外科」内)
http://www.hnh.or.jp/radiation/intera%20achieva.html - [6]Page 1 平成19年3月30日 第17号 函館脳神経外科病院 発行責任者 ...(※PDFファイル)
http://www.hnh.or.jp/%90V%8DL%95%F1%8E%8F%82P%82V%8D%86.pdf - [7]函館新都市病院 MRI SIGNA EXCITE 3.0T
http://www.yushinkai.jp/signa_3T.html
従来のMRI(磁気共鳴画像装置)で用いられていた磁力は1.5テスラで、血管や脳神経の微細部分をとらえるには限界があったそうです。
(※「テスラ」は磁力・磁気の強さの単位。)
対して3テスラMRIは、その名の通り、2倍の3テスラの磁力を用いるため、従来のMRIよりも鮮明な撮影が可能になっており、より微細な患部の状態を判別できるとのことです。
例えば0.1mm単位の血管も、鮮明に撮影が可能。
また、例えば動脈瘤の疑いが判明した場合、通常はCT(コンピューター断層撮影装置)を用いて
- 血管造影:腕から静脈に造影剤を注入
- 脳血管造影:脚の付け根から患部までカテーテルを入れて、患部に造影剤を注入
といった方法で患部の撮影が行われていますが、3テスラMRIを用いた場合は、血管造影などの必要なしに、検査機器の中に入っているだけで、患部の撮影が可能であるとのこと。
さらに、検査時間が短縮されたり、新しい種類の検査が可能になっているそうです[3]。
ちなみに[1][2]によると、3テスラMRIによる検査費用は、従来の1.5テスラMRIと同じとのことです。
(参考)
- [1]北海道新聞2008年7月23日朝刊15面
- [2]細い脳神経、軟骨のひびも 画像くっきり 磁力倍のMRI (紙面特集記事 北海道新聞)
http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/health_news_tokushukiji/ - [3]Page 1 平成19年3月30日 第17号 函館脳神経外科病院 発行責任者 ...(※PDFファイル)
http://www.hnh.or.jp/%90V%8DL%95%F1%8E%8F%82P%82V%8D%86.pdf
今までのMRIよりも鮮明な画像が撮影できるなど、優れた点を多く持つ3テスラMRI。
しかし短所もあり、3テスラMRIは、従来のMRI(1.5テスラ)よりも検査時の音が大きいそうです[3]。
また、
- 身体の中に金属が入っている
- カラーコンタクトレンズを装用している
- 体温調節に障害のある
などの場合には、適用がされないとのこと[1][2]。
(ただし、3テスラMRIの安全性自体は、確立済みだそうです。)
(参考)
- [1]北海道新聞2008年7月23日朝刊15面
- [2]細い脳神経、軟骨のひびも 画像くっきり 磁力倍のMRI (紙面特集記事 北海道新聞)
http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/health_news_tokushukiji/ - [3]Page 1 平成19年3月30日 第17号 函館脳神経外科病院 発行責任者 ...(※PDFファイル)
http://www.hnh.or.jp/%90V%8DL%95%F1%8E%8F%82P%82V%8D%86.pdf