阪大病院で新手術法
「NOTES」(ノーツ)に成功

傷口を最小限に留める手術法
「NOTES」(ノーツ)が、
大阪大学医学部付属病院で行われ、
成功したのこと。

阪大付属病院が新手術「NOTES」に成功

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大阪大学医学部付属病院が2008年8月13日、新手術法「NOTES」(ノーツ)を治療目的で実施し、成功したとのことです。

この手術は、50代の女性患者に対して行われたもので、性器の内部から内壁を切断し、内視鏡(軟性)を体内に挿入。

そして胃の外側から、腫瘍を切除したとのことです。

患者の手術後の経過は順調で、術後の痛みは全く無い状態だそうです。

今回の手術を腹腔鏡を用いて行う場合は、患者の腹部に

・切開傷(約4cm)
・内視鏡を入れる傷(約1cm)

と、2箇所の傷が残るとのこと。

一方「NOTES」(ノーツ)では、身体の外に傷を作る必要が無く、内視鏡を差し込むルート部位に、約1cmの傷2箇所を残すだけで済むとのことです。


(参考)
・北海道新聞2008年8月15日(金)朝刊32面記事「傷口小さく腫瘍切除 阪大が新手術成功」
・大阪大学医学部附属病院
 http://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/
・大阪大学大学院医学系研究科・医学部/Graduate school of Medicine, Faculty of Medicine
 http://www.med.osaka-u.ac.jp/index-jp.html


「NOTES」とは?

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「NOTES」(ノーツ)は、「経生理的開口部的管腔内視鏡手術」(Natural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery)の略称で、身体の開口部(口や性器など)から、内視鏡を身体の内部に挿入して、腫瘍の切除等を行う低侵襲の手術法です。

内視鏡を差し込むルート部位には、食道や胃、大腸、性器内部などがありますが、それらの部位では神経の性質が身体の外側(腹部など)と異なっていることから、この手術法は、メスで身体の外側を切開する通常の方法に比べて、手術後の痛みは殆ど残らないそうです。

(ただし、手術の全ての操作を経口的にアクセスする内視鏡を通して行うため、難易度が高いとのこと。[1])

「NOTES」(ノーツ)は、海外(欧米など)では既に多数の実施例があるとのことですが、新聞記事やインターネットで調べてみると、日本国内では大阪大学医学部付属病院で2008年8月13日に行われた手術や、大分県の中津市民病院で行われた経膣的NOTES胆嚢摘出術[2]と、実施例はまだ少なく、一般的に治療法として認められるためには、まだ時間がかかるようです。

ちなみに日本では、複数の医療機関により「NOTES研究会」が構成されており、同研究会が手術の実施前に手法を評価・承認することで、手術の安全性向上を図っているとのことです。


(参考)
・北海道新聞2008年8月15日(金)朝刊32面記事「傷口小さく腫瘍切除 阪大が新手術成功」
・NOTES による経胃的胆?摘出術における multi bending double channel ...(※PDFファイル)
 http://journal.jsgs.or.jp/pdf/041020275.pdf
・「新しい医学の進歩」〜日本医学会分科会より〜46/内視鏡外科学の進歩/〈日本内視鏡外科学会〉
 http://www.med.or.jp/nichinews/n200305h.html
・[1](案) (別紙)研究開発計画(※PDFファイル)
 http://www.meti.go.jp/policy/kenkyu_kaihatu/intelligent/(df-inte5)ground-plan-r&d.pdf
・[2]13 腹壁切開を必要としない腹腔内内視鏡下手術:経膣的 NOTES 胆嚢摘出術(※PDFファイル)
 http://www.city-nakatsu.jp/hospital/digest1/digest200803/13_ishikawa.pdf


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