管理人の家では2006年に、電動耕運機「サンダーバードティラー」を購入し、家庭菜園で使用していました。

しかし2007年夏に、粘土質のところを無理に耕そうとしたところ、本体の中で歯車が空転する音だけが鳴り、回転歯が全く回転しなくなってしまいました。

それ以来今(2008年5月始め)まで、サンダーバードティラーは物置の中に放置してありましたが、「やっぱり耕運機はあったほうが楽」ということで、何とか直せないかと思い、分解・メンテナンスを試みました。

当ページの内容は、サンダーバードティラー内部の状況や、その作業内容を記録したものです。

(※このページに掲載している作業内容は、破損や事故等に関して、管理人が自己責任の元、行ったものです。)

サンダーバードティラーの本体カバーを外す │ 動かない原因を推測する │ 歯車を清掃し、様子を見る │ 元通りに組み立てる │

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サンダーバードティラーの本体カバーを外す

サンダーバードティラー本体を2つに分割

まず最初に、サンダーバードティラーを真ん中から2つに分割します。

これは、説明書に載っている手順どおりに、4本の六角ナットを外して、上下の本体パーツを引っ張るだけです。

(もちろん、電源は外して行います。)

また、収納部のフタも外しておきます。

もう一つ、本体カバー前面下部に貼ってあるステッカー(メーカー名や電圧などが表記されているやつ)も、ちょうど合わせ目の部分にかかっているため、剥がしておく必要があります。


回転歯を外す

次に回転歯を外します。

これも説明書どおり、サンダーバードティラーとセットで付属しているボックスレンチ2つを使って、回転軸に通っている長いボルトとナットを外すことで、回転歯も取れます。

ただし、回転歯の元の組み合わせ方がどうなっていたか、覚えておくことが必要です。

(回転歯の正しい状態は、説明書の部品図にも掲載されています。)

※参考リンク:サンダーバードティラーの回転歯


回転軸周辺のネジを外す

回転歯を外したら、回転軸周辺のネジを外します。

ネジの頭はプラスで、特に問題なく外れました。


本体カバーのネジ周りを削る

本体カバーを外すときに手間取ったのが、本体下部・太い部分の前側2本のネジ外しです。

ここはネジが深いところに入っているため、私の家にあるドライバーでは届きませんでした。

棒を入れて計ったところ、ドライバーの首下が8cm以上あれば届くようですが、そのように首下が長く、しかも頭の溝に合うドライバーは私は持っていません。

しょうがないので、ドライバーが届くようにするため、うちにある鉄工用の「インターナルグラインダー」(棒サンダー)を使い、本体カバー側を削ることにしました。


カバーを削った状態

サンダーバードティラー本体カバー側を削った状態。

鉄工用のグラインダーを使ったので、削るというより溶けた状態になってしまいました。


ドライバーを入れる

しかし、溶けて穴側にはみ出たプラスチックを取ると、うちのドライバーでも入るようになりました。

ちなみにここはネジの頭が深いところにあるため見えないので、手探りでドライバー先端とネジ頭の溝をうまく合わせてやる必要があり、ちょっと面倒くさいです。


外したネジ

外したネジは、合計13本。

長・短の2種類があります。

正直、長さが2種類あることにはネジを全て外してから気がつきましたが、長いネジは本体下部(穴が深い場所)の3箇所(上記でカバーを削った2ヶ所含む)で間違いないようです。


回転軸まわりを外す

回転軸周りのキャップを外し、合わせ目にドライバーなどを入れ、こじ開けるようにして少しづつ外していきます。

サンダーバードティラー本体カバーの合わせ目で、最も固い場所がここでした。

回転軸のベアリングが本体カバー側にきつめにはまっているため、外しづらくなっているようです。


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動かない原因を推測する

カバーを外した状態

サンダーバードティラーの本体カバーを外した状態です。

一見して、歯車に土ぼこりがたくさん付着しているのがわかります。


歯車に近づく

歯車部分に近づいてみます。

上のほうにある歯車が、土埃が多くついています。

土埃は恐らく、上のほうから入ってきているようです。

また一番上の歯車には、土埃だけでなく何か白いものが、歯の間に入っているように見えます。


歯車・モーター側から

向きを変えて、モーター側から見てみます。

やはり、土ぼこりが多くついています。


モーター回転軸のスクリュー状歯車

モーターと直接かみ合っている歯車を外し、モーターの回転軸周りを見てみました。

モーターの回転軸は、スクリュー状の歯車になっています。

サンダーバードティラーは、回転歯に草が絡まったり石が挟まるなどして無理な力がかかった場合、モーターが焼けないように、中で空転するようになっています。

モーターの回転軸には、他に特殊な構造は見当たらないので、このスクリュー状の歯車が、モーター焼け防止の安全機構と関係があるようです。


一つ目の歯車

上記のモーター回転軸と直接かみ合う歯車です。

歯車の歯は、モーター回転軸のスクリュー状歯車と合うように、斜めに溝が切ってあります。

また、歯車の(この画像での)下面には、金属製のドラムが固定されていて、さらにその下にスプリングが入っています。

歯車を上から押してやると、ばねが押されて縮んで、歯車がある程度まで下に下がります。

モーター回転軸の溝の切り方や、回転方向から考えると、モーターに電気が流れて軸が回転すると、この歯車には下向きに押される(ばねを押し、モーター本体側に移動する)力がかかるようです。

多分、回転歯側に過剰な力がかかると、この歯車のばねが効いて歯車が上に(モーター本体から離れる方向)に押され、モーターの回転軸と歯車の噛み合わせが外れる・・・ような気がしますが、正直正確な働きまではわかりませんでした。

機械に詳しい方なら、ピンと来るのかもしれませんが・・・。


歯車のアップ

とりあえず詳しいことは放っておいて、外した歯車の歯をよーく見てみます。

すると、歯の間(谷間)に、何か白い繊維状のくずみたいなものが入っています。

また歯の山の頂点も、少し磨耗している感じです。


歯を断面方向から見る

歯を断面方向から見ます。

やはり歯の谷間に、繊維状のくずが入っています。

また谷の深いところには、土埃が詰まっていて、歯が浅くなってしまっているようです。


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歯車を清掃し、様子を見る

歯が詰まった状態

ここで、恐らくこの歯車の歯の谷間が詰まったことで、モーター回転軸のスクリュー状歯車とかみ合わなくなり、スイッチを入れても回転歯は回らず、モーターが空転する音しかしなくなっていたのでは・・・と推測しました。

ちなみに白い繊維状のくずは、この歯車の山が削れてできたもののようです。

この歯車の歯が詰まった原因ですが、

・まず土埃が詰まったためモーター回転軸と十分にかみ合わなくなり、歯車の山がモーター回転軸に削られ、ますます谷間が詰まって、完全にかみ合わなくなってしまった
・うちの畑は粘土質の塊が多く、普段から安全機構が働く機会が多かったため、歯車の山が削られて谷間にくずが詰まり、モーター回転軸とかみ合わなくなってしまった(土埃はそれほど関係無い)

・・・の2通りの原因を考えましたが、どちらが正しいかは、これまた正直わかりません。


歯の谷間を掃除する

とりあえず方針は立ったので、歯の間に詰まっている白い繊維状のくずと土埃を、細いマイナスドライバーなどでひたすら削り、落としていくことにしました。


落とした土とくず

落とした土と、繊維状の白いくずです。


あらかた綺麗にした歯車

あらかた、歯の谷間を綺麗にした状態です。

実はこの状態でサンダーバードティラーを一旦組み立てなおし、動かしてみましたが、少し回転歯の軸が回っただけで、また内部で空回り、という状態でした。

結局、もう一回歯を掃除しても同じ状態で「それならもっと思い切って削ってみよう」ということで、白い繊維状のくずが完全に取れ、歯の頂点付近が尖るぐらいにしてみたところ、元通りに動くようになりました。


他の歯車の掃除

ついでなので、他の歯車の歯も掃除しました。

こちらは土埃のみが詰まっていました。


固まった土埃

落とした土埃の塊です。

細長い塊で、歯の谷間に詰まっていた状態が推測できると思います。

やはり白い繊維状のくずは、モーター回転軸のスクリュー状歯車と、斜めに歯が切ってある一つ目の歯車との間にのみ発生していたものでした。

(やっぱり、モーター焼け防止の安全機構と関係がありそうです。)


一つ目の歯車・掃除完了

話は戻って、結局一つ目の歯車は、このぐらいまで綺麗にすることが必要でした。


掃除後の歯車・断面方向から

断面方向から見てみます。

歯の形が、かなりシャープになっています。


掃除前と掃除後の歯の比較

掃除前と掃除後の歯の画像を並べてみました。

上が掃除前、下が掃除後です。

歯車の山は削られただけでなく、摩擦熱でやや谷間側に(削られつつ)溶けて膨らんでいたようです。

その溶けて谷側に出っ張った部分も、マイナスドライバーでコツコツと落としてやりました。

結局、(組み立てての動作確認作業も入れて)2~3時間は優にかかったと思います。

歯の谷間を一つ一つ掃除していくので、とにかく思っていたより手間と時間がかかりました。

しかし、思ったほど歯が磨耗しているわけでも無いようで、定期的にこのようなメンテナンスをしたとしても、意外と歯車の寿命は長いかもしれません。


軸側の歯

更についでなので、この歯車が2つ目の歯車とかみ合うための、金属製歯車の歯も掃除しておきました。


軸側の歯アップ

・・・とはいえ、こちらはほとんど掃除する必要が無いぐらい、土埃は少なかったです。

(金属製の歯車だと、この手のトラブルには強いのかもしれません。)


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元通りに組み立てる

本体カバーに開いた穴

ここまでの作業(歯車の掃除)で、サンダーバードティラーの回転歯が元通りに回ることは(一回組み立てて)確認したので、普段の使用に支障が無いように、組み直します。

(ちなみにカバーを合わせるときは、外すときと同様に、回転軸周りがかなりきついので、若干注意が必要です。)

問題は、ドライバーを入れるために本体カバーに開けてしまった穴をどうするか、です。

カバーを内側から見ても、見事に穴が開いています。

内部の歯車に土埃が詰まることが、今回のトラブルの原因の一つに考えられるので、流石にこのままではまずいと思いました。


ガムテープで穴を塞ぐ

結局、見た目は悪いですが、全て組み立てた後、穴が開いているところをガムテープで塞いでおくことにしました。

本当はもっと見栄えが良いようにしたかったですが、今回見た内部の状況から考えると、おそらく今後も同様のメンテナンス(歯車の掃除)を、定期的にやることになるだろうと思ったので、つけ外しにさほど手間のかからないガムテープを使いました。


土埃が入りそうな箇所その1

一つ疑問に思ったのは、「一体どこからあれだけの土埃が中に入ったのか?」ということです。

本体外側をざっと眺めてみましたが、まず収納部のフタを止めるための部分に、溝状の穴が開いており、ここがまず怪しいのでは?と思いました。

しかし、ここは回転歯よりかなり上のほうにあるので、それほど土埃が入りそうとも思えません。


土埃が入りそうな箇所その2・モーター部分の換気口

現時点で最も怪しい箇所は、モーター取り付け部分にあるこの換気口(排熱口?)です。

ただ、ここは流石に塞ぐわけにはいかないと思われるので、結局抜本的な解決策はとらないままです。

おそらく今後も、年に1回ぐらいは分解・メンテナンスが必要となりそうです。

サンダーバードティラー内部の歯車が全部、プラスチックではなく金属製だったなら、歯車が磨耗して繊維状のくずがでることも無い、と思いますが、まあサンダーバードティラーは販売価格1万円弱~1万円台前半の商品なので、そこまで望むのは贅沢、ということかもしれません。

ともあれ、今後もサンダーバードティラーとは、メンテナンスをしつつ、ぼちぼちと付き合っていくことになりそうです。

(電動式で小さいので、耕運能力が高いわけではないですが、これはこれで、かなり使いでがあるので。)


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