抗菌めっき「ケニファイン」を粉末化して用いた抗菌長靴
神戸製鋼所が開発した抗菌めっき技術
「ケニファイン」を、粉末化して
靴底に使用した抗菌長靴を、
札幌の企業が商品化しています。
北海道・札幌の
の2社が、神戸製鋼所の抗菌めっき技術「KENIFINE」(ケニファイン)を応用した抗菌長靴を開発し、2009年8月から受注生産を始めているとのこと[1]。
今回札幌の2社は、
- 札幌エレクトロプレイティング工業:「ケニファイン」用の液体素材を、薄い膜に加工
- 寿産業:薄い膜を微細粉末に加工し、ゴム等に練り込む
ことに成功。
(神戸製鋼所では、「ケニファイン」の技術を他企業に供与する、ライセンスビジネスを実施している[3])
このゴムを厚さ2mm前後にし、長靴の底に張ったものが、今回開発した抗菌長靴とのことです。
今回の製品では、ケニファイン用の液体素材を粉末化して用いたことで、
- 少量でも、表面積を大きくできる
- 抗菌効果が向上する
といったメリットが得られるとのこと。
この抗菌長靴の価格は、1足6,500円。
開発メーカーでは、この製品について、
- 食品加工会社
- 給食現場
等での需要を見込んでいるそうです。
めっき用の素材を薄い膜に加工し、更に粉末化してゴムに練り込んだというところに、複数の企業が各々の技術を適材適所で生かしている、という印象を受けます。
この抗菌長靴により、実際に、どの程度の抗菌効果が発揮されるものなのか、かなり興味を惹かれます。
「ケニファイン」は、特殊な液体素材を用い、電気めっきによって金属製品に特殊ニッケル合金皮膜を成膜する、神戸製鋼所の独自技術で、
- ・抗菌即効性
- ・防かび性
に優れており、
等、多様な分野(医療、福祉や食品、電機、空調、生活用品、漁業など)で適用されているそうです[1][2][3]。
神戸製鋼所のサイト内ページ(例えば[2][4])を見ると、防かび性の実験結果の写真が掲載されており、確かに他の抗菌技術よりも、優れた抗菌性があるようです。
私自身は正直、いわゆる「抗菌グッズ」には「本当なのか?」という疑念を漠然と持っていたので、特殊ニッケルめっきがカビ等の繁殖を抑えるというのは、非常に興味深いです。
一体どういう原理で、めっきでこのような効果が得られているのか、とても興味を惹かれます。
(光触媒[7]の一つ、ということでしょうか?)
- [1]食品工場や給食現場で使って 抗菌長靴を開発 札幌の2社 来月から受注生産
- (北海道新聞2009年7月23日(木)朝刊9面記事)
- [2]環境経営情報 環境関連情報の開示 2.製品・技術・サービスでの環境への貢献(※「神戸製鋼所」サイト内)
- http://www.kobelco.co.jp/environment/kaiji/report/2008/1180229_6310.html
- [3]アミューズメント用メダルに高機能抗菌めっき「ケニファイン」を採用(※「神戸製鋼所」サイト内)
- http://www.kobelco.co.jp/topics/2008/09/1180503_6336.html
- [4]ノーリツ 壁掛け型浴室暖房乾燥機「ドライホット」の新タイプ発売 抗菌めっきステンレスフィルターが、捕集したカビ菌の増殖を従来比5%に抑制(※「神戸製鋼所」サイト内)
- http://www.kobelco.co.jp/topics/2008/05/1179876_6249.html
- [5]札幌エレクトロプレイティング工業株式会社
- http://www.sapporo-ep.jp/
- [6]寿産業 - 圧延機器「ローラーガイド」/廃タイヤリサイクル
- http://www.kotobuki-sangyo.com/
- [7]光触媒 - Wikipedia
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%89%E8%A7%A6%E5%AA%92
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