雪氷を冷房・冷蔵に利用する試み

冬に蓄積した雪を、
夏の冷房・冷蔵に活用する試み。

雪解け水で冷房

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北海道石狩市の「石狩雪氷利用事業研究会」(2004年設立)が、冬の間に蓄積した雪を夏季の冷房に利用する「雪氷冷房」の実証試験を、2008年7月9日に市内の施設で開始したとのこと。

実証試験が行われているのは、石狩市の多目的スポーツ施設「サン・ビレッジいしかり」で、石狩市では初の試み。

雪は3月に、「サン・ビレッジいしかり」の横に、高さ約4m・重さ約150トンの山に積み上げられ、表面を木材チップで覆われ、さらにビニールシートをかぶせて保存。

雪山の50cm下の地中に、ビニール管を埋設してあり、雪解け水が地中に浸透したときにこの管を冷却することで、管の中の空気が冷やされ、冷房に利用されるとのことです。

※雪氷による冷房が行われるのは、「サン・ビレッジいしかり」の会議室(約90m2)で、埋設パイプはこの会議室につながっているようです。


(参考)
・北海道新聞2008年7月10日朝刊28面(地方面、石狩・当別)
・石狩市地域新エネルギービジョン 概 要 版
 http://www.city.ishikari.hokkaido.jp/content/000012947.pdf
・-札幌圏の産業複合拠点- 石狩湾新港地域とともにSINCE1964【石狩開発株式会社】雪氷エネルギー活用の実例を学ぼう
 http://www.ishikari-dev.co.jp/topics/topics061201.html


雪氷冷房の効果

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北海道石狩市の多目的施設「サン・ビレッジいしかり」で実施されている雪氷冷房の実証試験では、初日(2008/7/9)の実験で、冷房の対象となっている会議室の室温が5度下がったとのこと。

この実証試験を行っている「石狩雪氷利用事業研究会」では、雪氷冷房を用いることで、冷房にエアコンを使用する場合に比べ、電気代が1/7程度まで抑えられる、と試算。

(3月に積み上げた約150トンの雪山は、8月末までは利用できる見込みだそうです。)

この実証試験では、事業費約120万円(うち40万円は道の補助)をかけ、3年間かけて実験データを収集するとのことです。


(参考)
・北海道新聞2008年7月10日朝刊28面(地方面、石狩・当別)


アイスシェルター

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北海道帯広市の「土谷特殊農機具製作所」は、20年以上前から、冬期間に冷気で作った氷を、夏の冷房・冷蔵に利用する「アイスシェルター」の開発・普及に取り組んでいるとのこと。

同社では、2008年7月に開催された「北海道洞爺湖サミット」では、サミット会場近くの道の駅付近など、3ヶ所に「アイスシェルター」を設置し、サミット期間中に来道した国内外の研究者・企業関係者たちへのPRにつとめたそうです。

[2]によると、同社のアイスシェルターには

・モナリスクアイスシェルター:低い円筒形のアイスシェルター
・Kスパンアイスシェルター:半円形のアーチ屋根のアイスシェルター

があり、実際に冷房や農産物の貯蔵に利用しているそうです。
(「Kスパンアイスシェルター」は、昭和63年に建造以来、17年間使用されているとのこと。)

また[2]の記事では、洞爺湖サミット会場近くに設置されたアイスシェルターの写真が掲載されていました。
こちらの施設は、上記2つと異なり直方体の形状です。
ちなみに施設の側面外壁には、看板に「氷だって エコエネルギー」の文字が表記されています。


(参考)
・[1]北海道新聞2008年6月18日朝刊2面
・[2]土谷特殊農機具製作所(※アイスシェルターの紹介ページ)
 http://www.tsuchiyanoki.com/ice.html
 http://www.tsuchiyanoki.com/ice2.html


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