農林水産省がLEDを農業に活用する研究を推進予定

農林水産省が2009年度から、
LED(発光ダイオード)を
農作物の生育に生かすための研究を
始める予定とのこと。

農水省が農業へのLED活用方法の研究を促進する方針

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国内の食料供給率の向上を図る取り組みの一つとして、農林水産省が2009年度から、LED(発光ダイオード)を農業に活用するための研究を進める方針とのこと[1][2][3]。
(プロジェクトの名称は「生物の光応答メカニズムの解明と高度利用技術の開発」となっています[4][5]。)

光の照射時間や色が、植物の成長・昆虫の行動に影響することは、既に「防蛾灯」「電照菊」等の事例で、ある程度判明しているとのことです。

農水省では、2009年度から行う研究で

・光の色や照射時間が農作物の生育や栄養分に与える影響
・害虫の行動に及ぼす影響

について更に分析を進めて、特定の色(波長)の光を照射可能な光源「LED」を、農業において効果的に利用する方法を開発し、栽培マニュアルにまとめる予定だそうです。

ただしLEDは、従来使用されてきた光源(蛍光灯など)に比べて消費電力が少なく、寿命が長い利点がある一方で、その設置に掛かる費用は、現時点では蛍光灯の約6倍と、高額なものになっています。

そのため農水省は、将来的にLEDと蛍光灯など従来光源との価格差が縮められ、農家での導入が進むことを予測しつつ、研究に取り組む方針とのことです。

具体的には、2009年度予算の概算要求にこの研究を盛り込み、研究は大学・民間企業に委託、5年間での実用化を目指すそうです。


(参考)
・[1]北海道新聞2008年8月20日(水)朝刊11面記事「LED、農業に活用へ 来年度から農水省、5年で実用化」
・[2]時事ドットコム:LEDの農業応用・ビジュアル解説
 http://www.jiji.com/jc/v?p=ve_eco_led080819j-01-h770
・[3]平成21年度 農林水産技術会議事務局予算 ...(※PDFファイル、農林水産省サイト内)
 http://www.s.affrc.go.jp/docs/yosan/juuten/h21/h20_080829.pdf
・[4]別添1 評 価 個 票 【研究課題評価】(※PDFファイル、農林水産省サイト内)
 http://www.s.affrc.go.jp/docs/hyouka/menu/pdf/betten1.pdf
・[5]別添2 プロジェクト研究の概要資料(※PDFファイル、農林水産省サイト内)
 http://www.s.affrc.go.jp/docs/hyouka/menu/pdf/betten2.pdf


光と農作物・害虫の関係

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[1][2]では、光が農作物の成長や害虫の行動に影響を与える影響を活用した例として、下記のような事例が挙げられています。

・防蛾灯:畑に設置した照明で黄色い光を照射することで、蛾を追い払う。
・電照菊:菊は日照時間が短くなると開花する性質があることから、夜に光を当てることで、開花時期を意図的に遅らせる。

また同記事では、まだ基礎研究の段階ですが、光の色が野菜に及ぼす影響として、

・トマトに赤い光を照射すると、収穫量が増加する。
・ほうれん草に赤い光を当てると、ビタミンCが増える。

との事例が挙げられています。

農水省が2009年度から進める予定の研究では、これらの事例等について更に分析し、農業におけるLEDの有効的な活用方法を、マニュアルにまとめる予定とのことです。


(参考)
・[1]北海道新聞2008年8月20日(水)朝刊11面記事「LED、農業に活用へ 来年度から農水省、5年で実用化」
・[2]時事ドットコム:LEDの農業応用・ビジュアル解説
 http://www.jiji.com/jc/v?p=ve_eco_led080819j-01-h770
・防蛾灯(※「GT・スパイラル有限会社」サイト内)
 http://ww21.tiki.ne.jp/~spiral/anchor/achievement/13_0.htm
・電照菊 - Wikipedia
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E7%85%A7%E8%8F%8A
・-PASONA O2-| 光の情報.COM(※ビルの地下で、人工照明により植物・農作物を育てている取り組みを紹介)
 http://hikari-joho.com/report/03/


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