ホタテ貝を立ったまま
仕分けできる選別装置

作業者が直立したままで、水揚げしたホタテ貝の
仕分け作業が可能な装置を、
札幌と大阪の4企業が共同開発したとのこと。

腰を曲げずにホタテの仕分けが可能な新装置

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札幌や大阪の計4企業により、水揚げされた帆立貝の仕分け作業を、中腰にならず直立姿勢のまま行うことができる選別装置が開発されたとのことです。

この新装置は、水揚げ後のホタテ貝を、船の両側から船の中央部・看板下の船倉に運搬するように、ベルトコンベアーを配置。

そして中央部のコンベアー(※兼作業台)で、作業者が運ばれてきた漁獲物からヒトデや割れた貝を取り除いて、ホタテ貝のみを選別して船倉に入れるようになっているとのことです。

この、作業台となる中央部のベルトコンベアーの高さが、約80cmに設計されており、選別作業者が身体を前かがみにせずに、立ったままで作業を行うことが可能になっています。

試作の装置を使ってみた漁業者からは、選別の作業量が減って、腰も楽になったとの感想が出ているとのことです。

([2]では、ホタテ貝選別の処理能力は約2倍にアップ、また狭い甲板上での組立・収納が可能という利点が挙げられています。)

今後の課題として、機械重量の軽量化を図り(80kg程度まで)、また人が怪我をしないように構造を安全なものに改良する計画だそうです。


(参考)
・[1]北海道新聞2008年8月14日(木)朝刊9面
・[2]コア企業:プラウシップ(※PDFファイル)
 http://www.hkd.meti.go.jp/hokic/h20nintei_1/20fy_04.pdf


新しいホタテ選別装置開発の背景

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ホタテ貝の仕分けの負担を軽減する新装置を開発したのは、

・プラウシップ(札幌)[3]:商品企画会社
・大嘉産業(大阪)[4]:漁業資材等の販売企業
・エスピー工研(札幌)[5]:鍛造製品の製造技術などを持つ
・白石ゴム製作所(札幌)[6]:ゴム部品製造企業、特殊ゴムベルトの技術を持つ

の4社で、宗谷漁協の開発依頼を受け、北海道立工業試験場や北海道大学の支援を受けて開発を行ったとのことです。

新装置を開発した背景として、北海道内では現在、ほたて漁に携わる漁船が約200隻あり、1隻あたり1日約8万枚(1.5トン)を、5人前後で水揚げするそうです[1]。
(※[2]では、1回の水揚げ量は約2.5トンで、20年前からこの作業を4〜5人で行っている、との内容の記述があります。)

しかしその選別作業は、水揚げしたホタテ貝を船の甲板に広げて、作業者は前かがみの姿勢で選別を行っており、身体(腰など)に大きい負担がかかるものとなっています。

また、漁業従事者の高齢化も進んでいることから、ホタテ選別作業の簡略化・負担軽減が、課題になっていたそうです。

今回開発された装置を試用したことで、実際に腰が楽になり、作業量も減少したとの感想が得られていることから、開発企業では、ホタテ貝選別の作業時間短縮によるコスト減(燃料など)につながると考えているとのことです。

また、ホタテ貝の選別以外の用途への応用も、考えているそうです。


(参考)
・[1]北海道新聞2008年8月14日(木)朝刊9面
・[2]コア企業:プラウシップ(※PDFファイル)
 http://www.hkd.meti.go.jp/hokic/h20nintei_1/20fy_04.pdf
・[3]PLOWSHIP
 http://www.plowship.com/
・[4]大嘉産業株式会社
 http://www.daika-net.com/top/f/f_top.html
・[5]株式会社エスピー工研 | ホーム
 http://www.spkoken.co.jp/
・[6]株式会社 白石ゴム製作所
 http://www.rubber.co.jp/


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