魚の鮮度を保持する「窒素水」

北海道釧路の企業が、
魚の鮮度を維持する効果の有る「窒素水」を
開発・製品化し、高い評価を得ているとのこと。

釧路市の企業が開発した「窒素氷」

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北海道釧路市の冷凍装置メーカー「昭和冷凍プラント」が開発した、魚の鮮度を保つ効果の有る技術「窒素氷」に対する評価が、高まっているとのことです。

[1][3][4]によると、この技術の概要は、下記のようになっています。

  • 製造方法:
    1. 大気中から窒素を抽出。
    2. 窒素ガスを水(真水・海水)に注入する。
      このときバブリングすることで、窒素ガスの分圧を高め、酸素を追い出す。(ヘンリーの法則を利用)
      また、気体の分子運動を抑えるために水温を下げ、溶けた窒素ガスの放出を防ぐ。
    3. 窒素封入水を凍結し、窒素ガス封入氷とする。
      (氷の種類は、角氷〜シャーベットまで可能)
  • 特徴・メリット:
    ・窒素ガスの注入により、氷から酸素が追い出されている(置換)。
    このため、酸化・好気性細菌を抑制する効果があり、鮮魚の箱詰めにもちいた場合、鮮度保持期間が5日程度に延びるとされる。(通常の氷は3日程度)
    これにより、
    ・販路の拡大
    ・輸送コストの削減
    が可能となる。
    ・窒素は元から空気中に存在する物質(空気の78%を占める)なので、自然環境に対する負荷が無い。
  • 開発時期:2005年(※現在は特許も取得している)
  • 量産体制:
    2010年6月に、釧路港に製氷工場(日産能力40t、投資額約5億3,000万円)を建設した。
    (それまでは、量産施設を構えていなかったとのこと)

(参考資料)

[1]特許技術「窒素氷」 魚の鮮度保持 高い評価(現場から 釧路)
(北海道新聞2011年1月5日(水)朝刊10面)
[2]昭和冷凍プラント【産地が一体となった品質管理、魚体の衛生管理、温度管理システム】
http://www.showareitou.jp/
[3]窒素氷
http://www.showareitou.jp/powr.html
[4]窒素氷の資料
http://www.showareitou.jp/images/227p.pdf
[5]窒素 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AA%92%E7%B4%A0

窒素氷への評価・注目

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新聞記事[1]では、「窒素氷」の利用について、

  • ・「(箱詰めに用いられた秋刀魚は)水揚げされたそのままの新鮮な状態」
     (さいたま市の魚市場)
  • ・「普通のサンマと明らかに違う。
     目が透き通り、口からの出血もない。
     自信を持ってお客に提供できる」
     (上記のサンマを仕入れた、さいたま市内の鮨店)
  • ・新千歳空港などで販売されている、窒素氷を用いたウニの塩水パックは、
     ・色持ちが良い
     ・水が濁らない
     との点から、人気を集めている。
  • ・北海道経済産業局が2010年11月に実施した特許価値の評価では、「Aランク」の判定(特許全体の上位3%に相当)を得た。

との事例・評価が紹介されています。
(※その他、「昭和冷凍プラント」のサイト[2][3]では、窒素水の利用も含めた水産業における事例が、3つ紹介されています。)

そして現在は、

  • 静岡県沼津市の設備会社は、昭和冷凍プラントとライセンス契約を締結し、「窒素氷」の製造施設や関連事業(販売など)を、
    ・静岡県
    ・神奈川県
    ・愛知県
    で独占的に行う計画。[4]
  • 問い合わせや資料請求は、
    ・首都圏の氷菓子メーカー
    ・海外(南アフリカ、中国、韓国)
    などから、計100件近くが寄せられている。

等、この技術は注目を集めているとのことです。


(参考資料)

[1]特許技術「窒素氷」 魚の鮮度保持 高い評価(現場から 釧路)
(北海道新聞2011年1月5日(水)朝刊10面)
[2]窒素氷(※「昭和冷凍プラント」のサイト内ページ)
http://www.showareitou.jp/powr.html
[3]窒素氷の資料
http://www.showareitou.jp/images/227p.pdf
[4]北海道騒然、沼津へ - プラザ発! 産業情報局
http://numazu-plaza.net/blog/2011/01/post-154.html
[5]METI Hokkaido - 北海道経済産業局
http://www.hkd.meti.go.jp/

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