ラットの脳細胞の信号による
ロボット制御に成功

イギリスの研究チームが、
ラットの脳細胞によってロボットの動きを
自律的に制御する実験に成功したとのこと。

ラットの脳細胞でロボットを制御する実験が成功

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英レディング大の研究チームが、人間やコンピューターから全く指示をせず、培養されたラットの脳神経細胞(ニューロン)が出す電気信号によって、小型ロボットを障害物にぶつからないように動作させる実験に成功したとのこと。
(発表は2008年8月13日。)

研究チームによると、この実験ではます、ラットの胎児から採取し酵素でばらばらにした脳細胞を、電極(約60個)がついた小さな容器に入れて培養。

その後、成長した脳細胞が出すようになった電気信号を、二輪走行ロボットに無線で送ることで、ロボットを動作させたとのことです。

実験に使われたロボットには超音波センサーが搭載されていて、障害物に接近することで、脳細胞に特別な刺激が与えられるようにしてあるそうです。

このシステムにより、最初のうちは障害物にぶつかっていたロボットが、脳細胞の学習により衝突を起こさなくなったとのことです。


(参考)
・北海道新聞2008年8月16日(土)朝刊32面記事「脳の信号でロボット制御 英チーム、ラットで成功」
・ラットの脳細胞がロボット制御 英チームが実験に成功
 http://www.47news.jp/CN/200808/CN2008081401000164.html
・ラットの神経細胞でロボットを制御、動画 | WIRED VISION(※「ユーチューブ」に投稿されたロボットの動画へのリンクあり)
 http://wiredvision.jp/news/200808/2008081822.html
・University of Reading Top Ranking University for Research(※英レディング大のサイト)
 http://www.reading.ac.uk/
・University of Reading - Robot with a Biological Brain: new research provides insights into how the brain works(※レディング大サイトに掲載されているプレスリリース)
 http://www.rdg.ac.uk/about/newsandevents/releases/PR16530.asp


脳細胞によるロボット制御の今後

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ラットの脳細胞によるロボット制御を成功させたイギリスの研究チームは、今回の実験が、培養された脳の神経細胞(ニューロン)でロボットを動作させた最初の例である、と指摘としているとのこと。

同チームでは今後、脳細胞に多用な刺激を与え、特定の動作をさせるように訓練する予定だそうです。

この実験成果に対して研究者は、

・脳の発達や記憶のメカニズムの解明
・アルツハイマー病やパーキンソン病、脳の損傷などに対する理解の深化
・脳による機械の直接制御技術

につながる、との見方をしています[1]。

ただし一方で、例えば[3]の記事では、現段階ではロボットの性能的に見て特別なことはできていない、との指摘がされています。


(参考)
・北海道新聞2008年8月16日(土)朝刊32面記事「脳の信号でロボット制御 英チーム、ラットで成功」
・ラットの脳細胞がロボット制御 英チームが実験に成功
 http://www.47news.jp/CN/200808/CN2008081401000164.html
・[1]University of Reading - Robot with a Biological Brain: new research provides insights into how the brain works(※レディング大サイトに掲載されているプレスリリース)
 http://www.rdg.ac.uk/about/newsandevents/releases/PR16530.asp
・[3]ラットの神経細胞でロボットを制御、動画 | WIRED VISION(※「ユーチューブ」に投稿されたロボットの動画へのリンクあり)
 http://wiredvision.jp/news/200808/2008081822.html
・スラッシュドット・ジャパン | 培養ラットの脳細胞を組み込んだ自律ロボット
 http://slashdot.jp/science/article.pl?sid=08/08/15/0732209


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