発展途上国の廃船解体を
室蘭で事業化

北海道の室蘭市で、室蘭工業大学（室工大）や海上技術安全研究所などを中心として、現在発展途上国で行われている廃船の解体作業を、室蘭でのリサイクル事業とする試みがされているそうです。

この事業は、バングラディシュなどの発展途上国で、アスベストの飛散やPCB（ポリ塩化ビフェニール）・水銀など、労働者の安全性・健康や環境に与える影響を無視して行われている廃船の解体を、造船・鉄鋼業の盛んな室蘭市で行おうというもの。
室蘭の地域活性化や、発展途上国の環境汚染・労働条件の改善を目的としているとのことです。

（現在の世界での廃船解体作業は、人件費が安いという理由で、90%以上がバングラディシュなど発展途上国に集中しているとのこと。）

室蘭では室工大を中心に、この事業の研究会（シップリサイクル研究会）が2008年1月に発足済み。
日本で解体作業を行う場合、途上国よりも人件費は高くなりますが、最近の鉄工価格の高騰から、室蘭で解体作業を行っても、十分にリサイクル事業化が可能、とみているそうです。

（参考）
・北海道新聞2008年7月11日朝刊4面
・室蘭工大などが、船のリサイクル研究会設立（室蘭民報ニュース）
　http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2008/01/11/20080111m_03.html
・シップリサイクル・シンポジウム開催 「環境を守り、資源を生かし ...（※PDFファイル）
　http://www.hkt.mlit.go.jp/bunyabetsu/kaiun/cruise/cruise21/risaikur.pdf
・廃船リサイクル　元気再生事業に　内閣府　室工大の施策支援（経済　北海道新聞）
　http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/104236.html
・廃船の解体と再資源化めぐりシンポジウム（動画＝ニュース　北海道新聞）
　http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/video_news/23515.html
・室工大・道新共催「シップリサイクルシンポジウム」開催（札幌ビズカフェWeb - What's New）
　http://www.bizcafe.jp/whatsnew/index.php?itemid=1162
・廃船輸出、事前に同意を　バーゼル条約会議（47NEWS）
　http://www.47news.jp/CN/200411/CN2004110101000277.html
・最新情報２００８年−国立大学法人 室蘭工業大学
　http://www.muroran-it.ac.jp/new-info/new2008.html

北海道の室蘭で計画されている海外の廃船をリサイクルする事業が、2008年7月、内閣府の「地方の元気再生事業」に選ばれたとのこと。

この「地方の元気再生事業」は、2008年度に設立されたもので、地方が発案した、地域性を生かしたまちづくり・活性化策を、省庁横断で支援する取り組みだそうです。
福田康夫首相が取り組んでいる地方再生戦略の目玉であり、7月11日に120件が採択され、合計24億円が配分されるとのこと。

室蘭での廃船リサイクル事業には、年1500万円の支援がされる予定だそうです。

室蘭ではこの支援金で、2008年度内に

・発展途上国の、廃船解体現場の調査
・室蘭での廃船解体作業
・解体スクラップの再資源化の実験

等を行うとのことです。

（参考）
・北海道新聞2008年7月11日朝刊4面
・地方の元気再生事業について（※PDFファイル）
　http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/siryou/pdf/genkigaiyou.pdf
・平成２０年度「地方の元気再生事業」募集要領の公表について
　http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/siryou/080401genkiboshu.html
・地方の元気再生事業：政府広報オンライン
　http://www.gov-online.go.jp/pr/media/paper/kijishita/373.html
・地方の元気再生事業、120件を採択（NIKKEI NET（日経ネット）：経済ニュース）
　http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080711AT3S1100W11072008.html
・エミュー加工など道内は９件　「地方の元気再生事業」（政治　北海道新聞）
　http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/104431.html