携帯電話端末のリサイクル率が低調

古い携帯電話端末の
リサイクル台数が年々減少していますが、
その原因には、使ってきた端末に対する
ユーザーの思い入れがあるようです。

携帯電話のリサイクル台数が減少傾向

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携帯電話やPHSの、買い替えに伴う古い端末の回収台数が、年々減ってきているそうです。

電気通信事業者協会などの調べによると、買い替えに伴う携帯電話・PHS端末の、2007年度の全国の回収台数は約644万台(前年度比6%減)[4]。

これは2001年度(平成13年度)の回収台数・約1300万台[3]の約半分で、4年連続で減少となっているとのことです。

2007年度に電気通信事業者協会が、使わない携帯電話・PHS端末をリサイクルに出さない理由を2,000人に調査したところ、

・コレクション・思い出:59%
・目覚し時計:23%
・電話帳として活用:22%
・デジタルカメラとして活用:12%
・データのバックアップ用:11%

等の理由が挙げられています[4]。

ちなみに[1]の記事では、札幌市の携帯電話ショップ店長の話として、

・リサイクルを提案して、同意する客は約半分
・若い人ほど、リサイクルに出さずに古い端末を持ち帰る傾向がある

との内容が紹介されています。


(参考)
・[1]北海道新聞2008年8月5日朝刊17面
・[2]スラッシュドット・ジャパン | 携帯電話をリサイクルする人はわずか3%
 http://slashdot.jp/mobile/article.pl?sid=08/07/11/0217233
・[3]平成16年度の携帯電話・PHSにおけるリサイクルの取り組み状況について
 http://www.tca.or.jp/japan/news/050621.html
・[4]平成19年度 携帯電話・PHSにおける製品環境アセスメント評価の結果報告について
 http://www.tca.or.jp/japan/news/080624.html
・トップページ 電気通信事業者協会(TCA)
 http://www.tca.or.jp/index.html
・携帯電話の回収・リサイクル | 企業情報 | NTTドコモ
 http://www.nttdocomo.co.jp/corporate/csr/ecology/resources/recycle/


携帯電話リサイクルの流れ

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携帯電話の端末や電池等は、リサイクルのため2001年から、携帯電話ショップで無料で引き取られています。
(他社の携帯電話も回収。)

回収された携帯電話は、ショップで専用の道具でパンチ穴を開け(個人情報保護のため)、専門の処理業者に引き渡しているとのことです。

その後のリサイクルの流れとして、[1]の記事では、北海道苫小牧の産業廃棄物処理企業「苫小牧ケミカル」[2]が行っている携帯電話リサイクルの事例が紹介されています。

それによると同社には、NTTドコモが北海道内で回収した携帯電話端末が毎月1回搬入されるとのことです。
(処理台数は多い月で2万台。)

持ち込まれた携帯電話端末は、焼却炉(炉内温度は最高で約900度)で焼却され、3〜5時間後にドラム缶に入れて冷却。

そして粉砕した後、九州の関連企業に船で輸送して、化学反応により金や銀、マグネシウムなどの希少金属を取り出すそうです。

ちなみに北海道の場合、他の携帯電話メーカー(auやソフトバンク等)でも、リサイクルの流れはほぼ同じで、リサイクル処理で得られる希少金属は市場で売買されることから、処理業者は有償で携帯電話端末を引き取っているとのことです。


(参考)
・[1]北海道新聞2008年8月5日朝刊17面
・[2]苫小牧ケミカル株式会社 - リサイクル事業について -
 http://www.tomakomai-chemical.com/recycle.htm


携帯電話リサイクルが低調な理由

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携帯電話のリサイクルが低調な原因として、ユーザー側としては、長い間使ってきた携帯電話を手放さず、手元に置いて他の用途(目覚まし時計や電話帳)に再利用したい、との思いが相当程度あるようです[1]。

また[2]では、

・著作権保護のあるコンテンツ(着メロや)画像を新機種に移動できない
・端末をショップに回収してもらっても、ユーザーには何のメリットもない

等といった問題点も指摘されています。

ちなみに[3]によると、「業者」に対しては、携帯電話のリサイクルを義務付ける法律が、2009年度春にも施行される見通しとなっているそうです。
(この「業者」が、携帯電話メーカーの他の事業者も含むかどうかは、管理人は確認していません。)


(参考)
・[1]北海道新聞2008年8月5日朝刊17面
・[2]スラッシュドット・ジャパン | 携帯電話をリサイクルする人はわずか3%
 http://slashdot.jp/mobile/article.pl?sid=08/07/11/0217233
・[3]経産省、使用済み携帯電話の回収およびリサイクル義務化を検討:モバイルチャンネル - CNET Japan
 http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20368984,00.htm


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