沼田町の雪冷熱エネルギー活用
の取り組み

北海道沼田町で、
雪の冷熱エネルギーを食糧貯蔵や冷房などに
生かす取り組みが行われています。

沼田町での雪冷熱エネルギーの活用

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北海道の空知管内沼田町で、雪を冷熱エネルギーとして活用する取り組みが行われているとのことです。

沼田町では、1996年に雪の冷熱エネルギーを利用したコメ貯蔵施設を、日本国内で初めて建設。

それ以来、沼田町では官民が雪の有効活用に取り組み、2008年4月には、沼田工業団地に隣接する場所に雪(約5,000トン)を積み上げて「沼田式雪山センター」を造成しています。
(沼田町では、1年間に10m以上の雪が降るとのこと。)

沼田町では現在、町や民間、農協の計8施設(老人ホームやしいたけ栽培棟、生花店の花保存庫など)が貯雪庫設備を持ち、雪を冷房・食料等の保存などに利用しているとのことで、雪が不足したら町の「雪山センター」から補給するそうです。

室蘭工業大学教授で雪氷エネルギーの専門家の媚山政良氏によると、雪冷熱を施設の光熱費に用いた場合、光熱費は電気使用に比べて1/5〜1/10に抑えられるとのことです。

ちなみに「沼田式雪山センター」では、雪の表面を木の皮で覆って保冷することで、秋になっても7割の雪が残っているそうです。


(参考)
・北海道新聞2008年7月29日朝刊28面「雪は宝 沼田町の冷熱エネルギー(上)」
・同7月30日朝刊28面「雪は宝 沼田町の冷熱エネルギー(中)」
・同7月31日朝刊36面「雪は宝 沼田町の冷熱エネルギー(下)」
・ストップ温暖化「一村一品」大作戦[北海道]
 http://www.jccca.org/daisakusen/area/hokkaido/
・沼田団地 「沼田町長の声」(「産業用地ナビゲーター」内)
 http://www.smrj.go.jp/sy-navi/merit/mayor/020597.html
・Nowhere Man:沼田町 雪冷熱の取組み
 http://ch10582.kitaguni.tv/e518415.html
・雪山センタープロジェクト
 http://www.town.numata.hokkaido.jp/yukiyama/yama1.htm
・現代の雪博士たち「媚山政良」-雪のパラダイス:北海道人
 http://www.hokkaido-jin.jp/issue/sp/200202/doctor_03.html


雪冷熱エネルギーで食料を貯蔵

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沼田町では12年前に、雪の冷気を米貯蔵に利用する施設「米穀低温貯留乾燥調整施設」(スノークールライスファクトリー)を完成させています。

この施設では、4〜8月には1,500トンの雪の冷気を用いて、内部をもみ保存に最適な状態(気温5度・湿度70%)に保っているとのことです。

暑い夏にも新米と変わらない品質を維持するこの施設から、年間約4,200トンの米をブランド米「雪中米」として出荷。

2005年からは台湾のスーパーでも、この「雪中米」を販売しており、1.5kgが約1,000円と高額な価格設定ですが、雪の冷気で冷やしたというイメージが好評を博し、年間約40トンが売れているとのことです。

ちなみに、電気を貯蔵用エネルギーに用いる他の米産地に比較し、雪を活用するこの施設の年間電気代は、約1/5(1,500万円)に抑えられているそうです。
(雪1トンで石油約10Lが節約できるとのこと[1]。)

またコメに限らず、生育や貯蔵に雪の冷熱エネルギーを利用した農産物や食品が、「雪中シイタケ」「雪中じゃが」「雪中そば」「雪中みそ」「雪中なごり」(雪中で熟成させた日本酒)といった、「雪中」ブランドとして発売されているとのことです。


(参考)
・北海道新聞2008年7月29日朝刊28面「雪は宝 沼田町の冷熱エネルギー(上)」
・同7月30日朝刊28面「雪は宝 沼田町の冷熱エネルギー(中)」
・同7月31日朝刊36面「雪は宝 沼田町の冷熱エネルギー(下)」
・ストップ温暖化「一村一品」大作戦[北海道]
 http://www.jccca.org/daisakusen/area/hokkaido/
・[1]自然の雪が、(※PDFファイル)
 http://www.town.numata.hokkaido.jp/kouhou/kouhou2008/kouhou2008-8/6-9.pdf
・利雪型農業の推進 農業生産組織育成支援(※PDFファイル)
 http://www.town.numata.hokkaido.jp/kouhou/kouhou2007/kouhou2007-8/numata_8th-p9.pdf
・克雪から利雪へ 〜新エネルギー「冷熱」の利用〜
 http://www.marimo.or.jp/~someya/syakai27.htm
・沼田の農産物
 http://www.town.numata.hokkaido.jp/agriculture/nosanbutu.htm
・雪と共生するまちを目指して 雪と共生するまちを目指して(※PDFファイル)
 http://www.nedo.go.jp/nedohokkaido/event/photo/170728godo/itoh01-10.pdf


その他の雪活用の取り組み

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沼田町では、沼田工業団地に隣接する「雪山センター」から、工業団地の地下に雪解け水を通すパイプを張り巡らし、食品加工工場の製品冷蔵等に活用する構想を持っているとのこと。

他に沼田町は、民間での雪冷房施設の普及を狙い、雪冷房施設建設への助成を検討。
(貯雪庫の建設には、現在100万円以上かかるとのことです。)

また、食糧備蓄基地の誘致を見越し、雪の冷熱で貯蔵した農作物の成分変化をデータとして蓄積する、といった試みも行っているそうです。


(参考)
・北海道新聞2008年7月29日朝刊28面「雪は宝 沼田町の冷熱エネルギー(上)」
・同7月30日朝刊28面「雪は宝 沼田町の冷熱エネルギー(中)」
・同7月31日朝刊36面「雪は宝 沼田町の冷熱エネルギー(下)」


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