ライムケーキを粒状にした土壌改良剤
てんさい(ビート)の製糖過程で出る
「ライムケーキ」を粒状にした
土壌改良剤が、製品化されたとのこと。
ビート(てんさい)から砂糖を精製する工程で排出される副産物「ライムケーキ」を粒状にした土壌改良剤が、北海道の企業が製品化したとのこと。
この土壌改良剤「粒状ライム」を開発した企業は、北海道十勝の建設業「北土開発」。
ライムケーキは、北海道ではこれまでも土壌改良剤として一部が利用されてきましたが、粉末状であるため、土壌に撒くときにムラなどが生じる欠点があったそうです。
北土開発では芽室町農協などから要望を受けて、この点を改良し、ライムケーキを直径2〜8mmの粒状にしたとのことです。
(参考)
・北海道新聞2008年7月10日朝刊11面
・株式会社北土開発
http://www.hokudo-kaihatsu.co.jp/
・北土開発:報道・お知らせ
http://www.hokudo-kaihatsu.co.jp/news.html#News_3
・JAめむろ
http://www.ja-memuro.or.jp/
ライムケーキを粒状にし、散布むら等の欠点を改善した土壌改良剤「粒状ライム」。
この粒状ライムの成分は、
・アルカリ分:約38%
・窒素
・リン酸
・カリ
・ナトリウム
・有機物
で、肥料効果が期待できるとのことです。
実際に撒く量の目安は、
・畑:10アールあたり300kg
・牧草地:10アールあたり500kg
となっています。
2008年7月に、牧草地で試験散布が行われましたが、ブロードキャスターのような既存の散布機械でも、特に問題なく散布できたとのこと[1]。
また価格の面でも、1袋(500kg)5250円と、通常の石灰などに比べると約4割安価だそうです。
ただし2008年7月10日現在では、まだ一般の要望に応えるだけの在庫がなく、増産計画を検討している段階とのことです[1]。
(参考)
・北海道新聞2008年7月10日朝刊11面
・[1]北土開発:報道・お知らせ
http://www.hokudo-kaihatsu.co.jp/news.html#News_3
ライムケーキは、甜菜(ビート)の製糖工程で排出される、主成分の炭酸カルシウム(CaCO3)と有機物が混ざった茶色い混合物で、大きさ2ミクロン程度の微粒子の集まりだそうです。
てんさいから砂糖を作るとき、糖液を抽出しますが、この糖液の中に、砂糖成分以外の有機物や色素などが含まれているとのこと。
製糖工程を効率化するため、糖液に含まれる砂糖以外の成分を取り除き、その除かれた成分を脱水したものが、ライムケーキと呼ばれるものとのことです。
このライムケーキは、日本甜菜製糖の芽室製糖所だけでも、年間4万トンを産出。
うち約2万5千トンは、産業廃棄物として処理されているそうです[1]。
ライムケーキを有効利用する手段として、土壌改良剤としての使い勝手を増した「粒状ライム」や、製油所で石炭を燃焼する際の炉内脱硫剤[2]、またアスファルトに代わる道路の舗装資材[3]といった方法が研究・開発されています。
(参考)
・[1]北海道新聞2008年7月10日朝刊11面
・[2]高性能脱硫剤『ライムケーキ』 - 石炭・環境研究所 - 出光興産
http://www.idemitsu.co.jp/energy/environment/lime.html
・[3]今月の視点/ライムケーキの再利用化への試み
http://sugar.lin.go.jp/japan/view/jv_0303a.htm
・日本甜菜製糖株式会社 | 事業所・関連会社
http://www.nitten.co.jp/company/group.html