日本のタンス預金は30兆円
日本銀行は2008年8月22日に発表した論文で、
日本のタンス預金の総額が
30兆円に達するとの試算を示したとのこと。
日本銀行の試算によると、家庭などに退蔵されている、いわゆる「タンス預金」の1万円札の総額が、30兆円に上るとのこと。
この試算額は、日銀が2008年8月22日に発表した論文[1]で示されたもので、銀行券の発行残高全体(約75兆円)の約4割を占める額です。
論文では、流通している千円札と一万円札の枚数の伸びの違いから、たんす預金の額を算出。
各紙幣の流通枚数は、
・約15年前:千円札が25億枚、一万円札が30億枚程度
・平成20年6月末:千円札が35億5000万枚、一万円札が70億枚
と推移してきており、日銀ではこの紙幣流通枚数の変化を比較して、一万円札を用いた決済のみが急増したとは考えにくいことから、1万円札の流通増加分は、貯蓄目的で保有されている可能性が高い、と推測しているとのことです[1]。
またニュース記事[3]では、タンス預金など滞留している1万円札(非取引需要)の割合について、
・1995年:12%
・最近(2008年?)38%
との数字が記載されています。
ちなみに同論文では、普通預金の残高についても試算を行い、2007年度の約310兆円のうち120兆円が、口座に入れられたままとなっている資金、との試算を示しているとのことです。
(参考)
・[1]日銀レビュー 銀行券・流動性預金の高止まりについて(※「日本銀行」サイト内、PDFファイル)
http://www.boj.or.jp/type/ronbun/rev/data/rev08j09.pdf
・[2]「たんす預金」は30兆円 日銀が試算発表 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/080822/fnc0808222244010-n1.htm
・[3]J-CASTニュース : 「お宅のタンス預金は?」 日銀、30兆円と推計
http://www.j-cast.com/2008/08/25025643.html
・北海道新聞2008年8月23日(土)朝刊10面記事「たんす預金 30兆円 日銀が試算」
・「タンス預金」30兆円 日銀推計、07年の滞留1万円札(NIKKEI NET(日経ネット):経済ニュース)
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080823AT2C2201L22082008.html
・日本銀行
http://www.boj.or.jp/index.html
日本銀行が発表したレポート[1]では、タンス預金の額の推移については、
・1995年(滞留1万円札は推計1〜5兆円)からその後増加[3]
・平成14年のペイオフ解禁をきっかけに20兆円台に乗る[3]
・2003年ごろからは、高止まり状態
としているそうです。
タンス預金として貯め込まれている一万円札が増加した原因として、
・1990年代半ばからの金融システム不安
・平成14年のペイオフ解禁
(※ペイオフ:金融機関の破綻による預金の払い戻し保証額を、元本1,000万円とその利子までに限る、とする措置)
により、高齢者が保有資産を定期預金から現金にシフト。
その後も預金金利の低利率が続いたため、現金がそのままタンス預金として滞留されている可能性が強い、と推測されている、とのことです。
(参考)
・[1]日銀レビュー 銀行券・流動性預金の高止まりについて(※「日本銀行」サイト内、PDFファイル)
http://www.boj.or.jp/type/ronbun/rev/data/rev08j09.pdf
・[2]「タンス預金」30兆円 日銀推計、07年の滞留1万円札(NIKKEI NET(日経ネット):経済ニュース)
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080823AT2C2201L22082008.html
・[3]「たんす預金」は30兆円 日銀が試算発表 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/080822/fnc0808222244010-n1.htm
・北海道新聞2008年8月23日(土)朝刊10面記事「たんす預金 30兆円 日銀が試算」
・ペイオフ (預金保護) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%95_(%E9%A0%90%E9%87%91%E4%BF%9D%E8%AD%B7)