北海道で蛾が大量発生(2008年夏)

2008年夏の北海道内で
蛾が大量に発生した事例が、
地元紙にいくつか報道されていました。

クスサンの生息域が標高の高い山林に広がる?

スポンサード リンク

2008年7月中旬に北海道北見市で、ガの一種「クスサン」の幼虫が大量に発生し、市有林のサワグルミやトチノキ、ヤナギの葉を食べ尽くす食害が発見されています。

道立林業試験場によると、クスサンの幼虫による食害は、2006年から毎年、空知管内奈井江町の標高300〜350mの山林で発生しているとのこと。

また2008年には、美唄市(標高約200m)などでも食害が起こっており、従来と異なり比較的標高が高い山林で、クスサンの幼虫による食害が増えているそうです。

(※北見市の場合は、標高は比較的低い。)

その要因の一つとして、クスサンの幼虫が、これまでは食べなかった広葉樹「ウダイカンバ」を食べるようになったことがある、とみられています。

(クスサンの幼虫はウダイカンバを食べると成長が良くなり、また産卵数も増えるとのこと。)

道立林業試験場では、クスサンの幼虫がウダイカンバを食べるようになった原因を、地球温暖化で成虫の生息域が標高の高い山林まで広がったためとみて、調査を進めている研究員の方もいるとのことです。


(参考)
・北海道新聞2008年8月1日朝刊36面
・クスサン(楠蚕)(※「幼虫図鑑」内ページ)
 http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/youtyuu/HTMLs/kususan.html


大通地区にメイガの一種が大量発生

スポンサード リンク

2008年8月8日の午前、札幌市大通地区のオフィス街で、ビルの側面や工事現場の塀に、「メイガ」の一種である褐色の蛾が大量にくっついているのが確認されていたとのこと。[1]

ある工事現場の白い塀では、1m3あたり100匹以上のガがついており、通行人を驚かせていたそうです。

今回大量発生していたガは、札幌市内では普通に見られる種類とのことで、北大農学部の昆虫体系学研究室では、大通公園の緑が、ガの生育環境に適しているのでは、と見ているそうです。


(参考)
・[1]北海道新聞2008年8月9日朝刊29面
・虫の写真図鑑 チョウ目 メイガ(※「昆虫エクスプローラ」内ページ)
 http://www.insects.jp/konbunringa22.htm


マイマイガが道内各地で大量発生

スポンサード リンク

2008年夏、北海道内の各地で、森林害虫の「マイマイガ」(ドクガ科)が大量発生し、各自治体が対応に追われたそうです[1]。

例えば三笠市役所には、7月下旬から8月上旬までに、街灯などに群がるガを何とかしてほしい、との苦情が約20件寄せられたとのこと。

また後志管内余市町の町有林では8月上旬、シラカバの木に群がるマイマイガの成虫が発見されています。

新ひだか町の静内地区でも、8月4〜5日にかけて大量発生が確認されたそうです[3]。

自治体の対応策として、例えば後志管内の倶知安町では、8月上旬にマイマイガの駆除方法などを掲載した新聞チラシを配布。

池田町では、町のホームページにマイマイガへの対処方法が掲載されています。[2]

岩内町では、マイマイガが集まる街灯を消灯する対応をとることもあるとのことです。

道立衛生研究所によると、マイマイガは数年〜10年周期で大発生するとのこと。
(そのメカニズムは未解明。)

ちなみにマイマイガは、雄は茶褐色で雌は白色。

ドクガ科ですが成虫には毒性はほぼ無く、幼虫はとげに触るとかぶれる場合がありますが毒性は弱く、特に人に被害を及ぼすものではないそうです。

ただし、幼虫は果樹やカラマツの葉などを食べる害虫とされており、8月ごろに卵数100個(オレンジ色の塊状)が、気の根元に産卵されるとのことです。


(参考)
・[1]北海道新聞2008年8月8日朝刊33面
・[2]マイマイガ発生に伴う対処方法について - 北海道池田町
 http://www.town.ikeda.hokkaido.jp/page_2122.html
・[3]マイマイガ 大量発生!?静内地区 国道沿線や海岸近くに集中  - 北海道 47NEWS(よんななニュース)
 http://www.47news.jp/localnews/hokkaido/2008/08/post_1412.html
・マイマイガ(※「幼虫図鑑」内ページ)
 http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/youtyuu/HTMLs/maimaiga.html


    inserted by FC2 system