親知らずからiPS細胞の作製に成功

産業技術総合研究所のチームが、
抜歯した親知らずの間葉系幹細胞を用いて、
iPS細胞(人工多能性幹細胞)の作製に
成功したとのことです。

親知らずからiPS細胞を作製

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独立行政法人「産業技術総合研究所」(産総研)の研究チームが、抜歯された「親知らず」の歯胚から「間葉系幹細胞」を取り出し、iPS細胞(人工多能性幹細胞)の作製に成功したと、2008年8月21日に発表したとのことです。

この研究では、3年前に10歳の子供から抜歯し、冷凍保存していた親知らずから取り出した間葉系幹細胞を使用。

山中伸弥氏(京都大学教授、iPS細胞を最初に作製した)がiPS細胞作製のため皮膚細胞に組み込んだ遺伝子(4種類)のうち、ガン遺伝子を除いた3種の遺伝子を、解凍した間葉系幹細胞に導入し培養した結果、iPS細胞の作製に成功したそうです。

将来の再生医療研究・臨床応用のためには、多種のHLA(白血球型)ごとにiPS細胞をバンク化して保存することが、拒絶反応の少ない細胞を迅速に準備するために必要と考えられているそうです。

今回、普通は抜歯後に捨てられる親知らずの間葉系幹細胞からiPS細胞をつくることに成功したことで、iPS細胞作製に必要な細胞の収集がより容易になり、将来のiPS細胞バンク化にも寄与すると考えられるとのこと。

(iPS細胞の長期保存方法はまだ確立されていませんが、間葉系幹細胞の状態であれば、長期保存が可能であるそうです。)


(参考)
・北海道新聞2008年8月22日(金)朝刊4面記事「親知らずから万能細胞 産業技術総研チーム 「原料」入手、簡単に」
・「親知らず」から万能細胞 産総研チームが成功 - MSN産経ニュース
 http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080821/acd0808211835005-n1.htm
・「親知らず」からiPS細胞作成に成功、産総研 国際ニュース : AFPBB News
 http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2509271/3251816
・産総研:主な研究成果 歯(親知らず)からiPS細胞を樹立
 (※「独立行政法人 産業技術総合研究所」サイト内ページ)
 http://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/nr20080825/nr20080825.html
・抜歯した「親知らず」からiPS細胞を作製:産業技術総合研究所:トピックス:つくばサイエンスニュース
 http://www.tsukuba-sci.com/index.php?mode=kijiid&id=1053
・人工多能性幹細胞 - Wikipedia
 http://ja.wikipedia.org/wiki/IPS%E7%B4%B0%E8%83%9E


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