日本近海でメタンハイドレートからの
ガス産出試験が行われる予定

新エネルギー源「メタンハイドレート」から
メタンガスを産出する試験が、
2012年度に経済産業省により
日本の近海で行われる方針とのこと。

経済産業省がメタンハイドレートからのメタンガス産出試験を実施する方針

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経済産業省が2008年9月19日、新しいエネルギー源として注目されている「メタンハイドレート」を日本近海の海底から取り出し、メタンガスを産出する試験を、2012年度から行う方針を決定したとのことです。

まず2009〜2011年度の3年間、米国アラスカ州の地下埋蔵層で、陸上におけるメタンハイドレートからのメタンガス産出試験を実施するとのこと。

そして2012年度に、日本の「東部南海トラフ」(静岡−和歌山県沖合の海溝)からメタンハイドレートを取り出し、メタンガスを産出する実験を開始する予定だそうです。

この産出試験は長期間実施され、技術面・経済面等の課題について研究を行い、2018年度に商業生産を開始することを目標としているとのことです。
(実験の規模・実施地点は今後決定。)

メタンハイドレートからのメタンガス産出方法は複数ありますが、現在のところは「減圧法」(高圧のメタンハイドレートを特殊な装置で減圧し、メタンガスのみを採取管に取り込む方法)が有力だそうです。


(参考)
・北海道新聞2008年8月20日(水)8面記事「「燃える氷」メタンハイドレート 日本近海でガス産出試験」
・FujiSankei Business i. 総合/メタンハイドレート “燃える氷”採掘試験 来年度、日本近海で
 http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200808190030a.nwc
・燃える氷をすくい取れ 「メタンハイドレート」試験採掘へ (1/2ページ) - MSN産経ニュース
 http://sankei.jp.msn.com/life/environment/080819/env0808190035000-n1.htm
・次世代燃料メタンハイドレート、12年度に海洋試掘 経産省方針(NIKKEI NET(日経ネット):経済ニュース)
 http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080819AT3S1900W19082008.html
・メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム
 http://www.mh21japan.gr.jp/japanese/index.html


日本近海のメタンハイドレート

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メタンハイドレートは、低温・高圧の条件下で、メタンガスと水がシャーベット状に固形化(水分子がメタンを囲んだ状態)し、永久凍土の地下や海底に埋蔵されているものです。

このメタンハイドレートから、メタンガスを取り出す技術が確立されれば、従来の化石燃料(石油や石炭など)に代わる新エネルギー源として活用できる、と期待されています。

(※メタンガスは、石油や石炭に比べ、燃焼時のCO2排出量が約半分とのこと。
 ただしメタンガス自体の温室ガス効果は、二酸化炭素の20倍とされているそうです[2]。)

メタンハイドレートの埋蔵箇所は、米国の地下や日本近海で確認されており、例えば日本の「東部南海トラフ」(静岡−和歌山県沖合にある海溝)では、産官学の共同開発機関「メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム」により、1.1兆m3(日本の天然ガス年間消費量の約14年分に相当)のメタンハイドレートの埋蔵量が試算されているとのことです[1][2][3]。

(※日本は現在、天然ガスの90%以上を輸入に依存している状況だそうです[2]。)


(参考)
・[1]北海道新聞2008年8月20日(水)8面記事「「燃える氷」メタンハイドレート 日本近海でガス産出試験」
・[2]メタンハイドレート - Wikipedia
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%B3
 %E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88
・[3]メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム
 http://www.mh21japan.gr.jp/japanese/index.html
・メタンハイドレートの二面性:「新エネルギー」+「温暖化を激化させる脅威」 | WIRED VISION
 http://wiredvision.jp/news/200806/2008060423.html
・燃える氷をすくい取れ 「メタンハイドレート」試験採掘へ (1/2ページ) - MSN産経ニュース
 http://sankei.jp.msn.com/life/environment/080819/env0808190035000-n1.htm


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