稲わら・麦わらからバイオエタノールを製造
稲わらや麦わらからバイオ燃料を製造する施設が、北海道に建設されるとのこと。
北海道の恵庭市に、大成建設とサッポロビールが、稲わらや麦わらからバイオ燃料(エタノール)を製造するための施設を建設するとのこと。
この事業は、農林水産省の「バイオ燃料実証事業」に申請しているもので、採択されれば、2008年度中に実証プラント建設に着工。
2009年度から稼働する予定とのことです。
この実証プラントで、コストの低減・製造の能率化を図り、事業化につなげる狙いだそうです。
また同じく北海道では、JA北海道中央会やオエノンホールディングスが、規格外の小麦・ビート(てんさい)・米などからバイオ燃料を製造する施設を建設中とのこと。
これら北海道でのケースを含め、食べ物(とうもろこしなど)を原料に使用しないバイオ燃料製造技術の開発が、農水省などの後押しもあり、日本国内で着々と進められつつあるようです。
(参考)
・北海道新聞2008年6月30日朝刊1面
・FujiSankei Business i. 総合/農水省、稲わらバイオ燃料推進 穀物高騰・食糧安保に備え
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200805060009a.nwc
・稲わらからバイオ燃料生産(47NEWS)
http://www.47news.jp/CN/200709/CN2007091501000473.html
・「食の王国」でバイオエタノール生産(YOMIURI ONLINE(読売新聞))
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/feature/hokkaido1197700157516_02/news/20071215-OYT8T00523.htm
大成建設は2007年度から、経済産業省の事業で、稲わらを原料としたバイオ燃料について、可能性調査を実施。
その後、大成建設とサッポロビールが共同で、稲わら・麦わらからのバイオ燃料製造の実証事業に申請、今回のプラント建設予定につながっているようです。
現時点では、稲わら・麦わらからのバイオエタノール製造コストは232円/リットルと、ガソリンよりもかなり割高になっています。
この点について、今回建設する実証プラントでは、より低コストで製造する手段を探り、事業化への目途をつける予定とのことです。
実証プラントはサッポロビールの恵庭工場内に建設予定で、原料の稲わら・麦わらは、同工場の近くの南幌町と長沼町から調達。
このプラントでのバイオエタノールの製造量は、数千kL/年の計画だそうです。
(参考)
・北海道新聞2008年6月30日朝刊1面
・サッポロと大成建設 稲わらでバイオ燃料 恵庭に工場、来年度稼働(北海道新聞サイト内)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/environment/101158.php
北海道では他に、JAグループの企業「北海道バイオエタノール」が、十勝・清水町で、2009年4月からビート(てんさい)・小麦を材料にしたバイオエタノール製造工場を稼働予定。
病害虫を防ぐための輪作の都合で、ビートはどうしても余剰在庫になってしまうとのことで、これをバイオ燃料の原料にできれば、輪作を崩さずに済む、というメリットもあるそうです。
また、焼酎大手のオエノングループは、米を原料にするバイオエタノールの製造工場を、苫小牧市に建設予定。
コメをバイオエタノールに利用できれば、田んぼが耕作放棄地になるのを防げる可能性がある、と考えられているそうです。
(一度耕作が放棄されれば、再び米を作るのはすぐにはできない。)
(参考)
・「食の王国」でバイオエタノール生産(YOMIURI ONLINE(読売新聞))
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/feature/hokkaido1197700157516_02/news/20071215-OYT8T00523.htm
・バイオ燃料 — 京都府中小企業技術センター
http://www.mtc.pref.kyoto.lg.jp/inf/cen/pub/pre/cre/no027/5